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September 24, 2008

愛の悲しみの花

“愛の悲しみ”の花ことばをもつ花、みそはぎもそろそろおわりだろうか。

 「みそはぎ」   金子みすず

  ながれの岸のみそはぎは、
  誰も知らない花でした。
 
  ながれの水ははるばると、
  とおくの海へゆきました。

  大きな、大きな、大海で、
  小さな、小さな、一しずく、
  誰も、知らないみそはぎを、
  いつもおもっておりました。

  それは、さみしいみそはぎの、
  花からこぼれた露でした。

別名「盆花」。
長野県などではお盆の日に、花に水をつけて 玄関先でおはらいをして祖霊を迎えると言う。

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September 10, 2008

コスモスの花の咲くころに

       おのこ おみな   阪田 寛夫

 われらおのこは
 かみさまが

 粘土こねて

 おつくれなされた

 われらおみなは
 かみさまが
 コスモスの花から
 おつくりなされた

 しぐれが通ると
 粘土の胸に
 ひえびえ滲みる

 しぐれが通ると
 コスモスの葉は
 冴え冴え青い

 ねんどのお面は
 鼻っかけ

 コスモス コスモス
 虹の花

 しかしみなさん
 山の向こうに山が見え

 雲がちりぢり逃げ出す日には

 われらおのこ風と化り

 影もとどめぬ風と化り

 コスモスの花々みだし
 金色の野をかけぬける

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September 01, 2008

秋は一夜にやってくる

いよいよ9月、金子みすずの詩「秋は一夜に」ではないけれども、気がつけば秋になっていた。

  秋は一夜にやってくる。

  二百十日に風が吹き、
  二百二十日に雨が降り、
  あけの夜にこっそりやって来る。

  舟で港へあがるのか、
  翅でお空を翔るのか、
  地からむくむく湧き出すか、
  それは誰にもわからない、
  けれども今朝はもう来てる。

  どこにいるのか、わからない、
  けれど、どこかに、もう来てる。

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