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March 12, 2008

600年の昔生まれた“うつくしきもの”

  「生を敬い死を畏れ、神がまだ人とともにあった」600年の昔、日本では能が、中国では昆劇が生まれた。京都・南座で上演中の『阪東玉三郎 中国・昆劇 合同公演』は、積年の憧れを胸に単身中国に渡った玉三郎と名門・紅蘇省蘇州昆劇院の役者たちの合同公演である。
  明代に成立した「牡丹亭」全55幕から前半の名場面3幕5場。昆劇の代表作である。ヒロイン・杜麗娘を玉三郎と、2人の昆劇役者 が分担して演じた。
 舞踊「楊貴妃」は、能を素材に玉三郎が練り上げた創作舞踊で、長唄を昆劇の歌唱に移したもの。性も国も時も越えた玉さまの魔性の美は、そのまなざしに傾国の愛と憂いを宿し、舞台上の電光日本語字幕に目を移す間も惜しまれるほどであった。感情豊かな舞踊と歌に身をまかせるのみの時間が過ぎる。
“うつくしきもの”に満たされた夢舞台。
 600年の昔、人生は短くとも時の流れは今よりゆるやかに、豊かであったのだろうか。

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