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November 30, 2006

いじめを見て見ぬ振りする者も加害者

 児童文学の名作『飛ぶ教室』(ケストナー作)は、寄宿生活を送る子どもたちが少しずつ成長していく様子を描いている。
その中で、休み時間に一人の生徒がクラスの仲間からいじめを受けた場面がある。
くずかごに押し込められ、天井のフックに吊るされ、授業が始まってもそのままだった。教室の異変に気づいた教師が、天井を見上げながらクラスのみんなに尋ねる。「だれがやった?」「どうして止めなかったのか?」。
かごの中から、当の生徒が答える。「多すぎたのです。相手が」。教師は「どんな場合でも、迷惑行為をやった者にだけ責任があるのではなく、それを止めなかった者にも責任がある」と諭す。
 『飛ぶ教室』が書かれて74年。 
わが国では今、政府の教育再生会議がいじめ問題の緊急提言をまとめた。
「社会総掛かり」を唱えるだけに、多用な項目が並ぶ。
“いじめを見て見ぬ振りする者も加害者であることを徹底して指導”するとも。
あらためてかみしめたいものだ。

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November 22, 2006

家族愛が加齢に打ち勝つ?

 昨日行われた東洋太平洋ライトヘビー級王座決定戦で、40歳10ヶ月の西沢ヨシノリ選手がわずか一回で相手のマリカ・カトニヘレ選手をKO、王座についた。国内外の王座を通じて日本人でははじめての40代チャンピオンで、東洋太平洋では2人目の2階級制覇という。10キロの減量に耐えてこの重いクラスを制覇したというのは恐るべき精神力と言っていい。
<04年1月にオーストラリアで初めて挑戦した世界戦でKO負けした時、初めて敗戦のリングに上がった愛娘・由華ちゃん(8)から「パパ、もう試合しなくていいよ」と涙ながらに言われた。愛する一粒種を傷つけたショックに打ちひしがれ、出した答えが「娘の傷を癒やすには、また勝ってリングに上げてやること」だった。勝ち続けるには現役を続けるしかない>。
そして得た勝利。
そのリングで<必勝」の鉢巻き姿の由華ちゃんからは、無傷のほおにキスのプレゼント>。(「勝谷誠彦の××な日記」より)
ジョージ・フォアマンが94年に世界ヘビー級の王座に返り咲いたのは45歳の時だったという。
 年末には、また赤坂興行を打つ、「家族愛」とやらが売り物の、西沢選手の半分の年齢のボクサーもいるけれど。

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November 09, 2006

パソコンで書かれた「手紙」

刑事犯罪を犯した人々の社会復帰が難しい世の中で、困難を強いられるのは罪を犯した人ばかりではない。
犯人を取り巻く周囲の人々にも、差別を含んだ一段と厳しい眼差しが向けられる。そこでは個人の尊厳などよりも、防犯意識のほうが優先され、今や街のいたるところに防犯カメラが設置されているようだ。
そんな世情の中で、獄中の兄からの手紙が、たった一人の身内である弟をいかに苦しめるかという映画『手紙』を観た。
きちんと返事を書く弟であったが、あるとき、受刑者が書いたことを示す検閲印(小さな櫻の刻印)を気づかれ、差別を受ける。
住まいも、職場も転転とせざると得ない、思いを寄せる女性との悲しい別れもあった。
最大の不運は、兄にも期待された夢だった「お笑い界での活躍」が、無記名のブログによって破綻させられてしまう。
世間の無責任な集合的悪意、破局はインターネットの書き込みからやってきた。
弟は、ついに手紙を書くことを止めてしまう。
しかし、獄中でただただ弟の手紙を待つ兄の気持ちを察した少女が、内緒で、筆跡が判らないように、パソコンで身代わりの手紙を書き、近況報告を続ける。
「びっくりしましたが、馴れれば、お前の下手な字よりも読みやすくて、なかなかいいものです」と弟からの手紙と信じて疑わない兄。
心があれば、パソコンの手紙も十分気持ちが通じるのである。
縦書きの手紙であった。
ブログ上での暴力と両極端にあるIT作法である。

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November 08, 2006

女性過去最多の7人南極へ

 第1次南極観測隊が、国民の期待を一身に背負って南極観測船「宗谷」で南極を目指したのは昭和31年11月8日。 
今年は、日本南極観測50周年を迎えるということになる。
この間、我々も 観測船「宗谷」が氷に閉じ込められるたびにハラハラし、ソ連の「オビ号」に助けられたと聞いてホッとし、無人の昭和基地でタロとジロが生きていたというニュースに胸を熱くした。
そして、50年、今度は女性隊員の活躍からも目が離せない。
地球の自然環境や世界の政治事情も激変の今日、南極はお元気だろうか。
 ジャーナリスト・柴田鉄治氏の「40年ぶりの南極再訪」によると、南極は変わったところと、相かわらずだとおもわれるところの二極化がはっきりしているという。
「激しく変わったものは、昭和基地の設備であり、生活であり、情報環境であり、隊員気質であり、変わらないものは、大自然であり、船やヘリコプターであり、夏の間のオペレーションのやり方」。
 激しく変わったものの中でも最大の変化は、情報環境。40年前、電報用紙にカタカナで書いてモールス信号で送るほかなかった記事が、いまはメールも電話もインターネットも自由自在。料金も市内通話なみだという。朝日新聞の国際衛星版が毎日フルページで届く生活。
 南極からの観測情報も、「今まで年に一度、船で持ち帰るしか無かった観測データが、週に1回送れるようになったり、南極の映像をリアルタイムで見られるテレビ会議システムを使って日本と南極間でコミュニケーションを図れるなど、南極の通信環境は、このブロードバンド化により大きく変化した」とNEC隊員は語る。

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November 06, 2006

いじめ根絶に総決起、小中高校生ら「会議」開く

5日、京都市総合教育センターで京都市内の小中高校生が、いじめ撲滅に向けたアピールを掲た。 
いじめを苦にした子どもの自殺が全国で相次ぐ中、学校でのいじめを根絶しようと、「いじめに立ち向かう全市立学校277校生徒会議」を開き、「いじめはゲームじゃない」などとするアピールを採択したもの。

アピールは、
「いじめをしている人へ」として
「人の心はおもちゃじゃない。いじめからは何も生まれないことに気づいて」と訴え、
いじめられている人には
「決してひとりじゃない。命を捨てないで。生き抜くことこそ勇気なんだ」と呼びかけた。 (「 クライン孝子の日記」より)

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November 04, 2006

9才少女の前向きな知恵

  このところの中学生高校生、そして小学生までもが、友達同士のいじめに悩み自殺するという事件には、ただただ驚き、こちらこそ悩むばかりである。
我が相棒は、「親に相談しない、出来ない」ことに苛立つが、「自我が芽生え、自立の一歩を踏み出す頃」には、一番身近で心が許せるからこそ、「親にはナイショ」というような側面があるように思えて、まだ我が家の論争も決着をみていない。さらに悩みは深まる。
 そんな中で、『HAPPYをさがしてあるこう』(リビー・リース著、メイツ出版、1050円)というかわいい本を知った。
著者は、イギリスの9歳の女の子である。
パパとママが離婚しちゃって、小さな胸はパンク寸前。
そんな彼女が、辛い気持ちをどう解消して、立ち直るか、自分自身で見つけ出した解決策を、今度は誰かに役立てて欲しいと発した「つらいのは自分ひとりではない」というメッセージ。
かわいらしくイラストも心和む。「自分はこれでいいんだ、ってみんなが思えるように」お手伝いしたいと、なんと健気なことであろうか。辛いときに笑顔をくれた魔法の言葉など、幸せになるための30の方法、イギリス中を元気付けた幸せを見つけるための1冊である。
大人が生活の工夫を再発見するきっかけにもなりそうだ。

なお、この本の売り上げの一部は子どものための国際援助団体「セーブ・ザ・チルドレン」へ寄付される。

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