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May 29, 2006

忍び寄る老いに気力を奮い立たせる母二人

 愛する子どもが突然姿を消し、長年の捜索に疲れた果てた末に届いた「北朝鮮に拉致」という知らせ。
同じ境遇に苦しんできた日本と韓国の母親が28日、互いを労わるように手を取り合った。
まだ見ぬ嫁の幼い頃の写真に涙するお姑さん、花嫁姿を夢でしか見られなかったであろう母。娘と息子を奪われた二人の母は、早期救出への思いを一つにした。
「目玉焼きが大好きだった」息子を思い、「失踪当時(1978年)は卵が高く、頻繁に作れなかったが、今ならいくらでも食べさせてやれる」という母は、北朝鮮に会いに行きたいというが、「私達も子どもに会いたいが、同じような親がたくさんいる。全部解決しなければ会えない」という日本の母。
二人の母のそれぞれの苦悩が、想像するだに辛い。

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May 27, 2006

強い女性

昨今、女子レスリングの吉田沙保里、柔道の谷亮子など、この種の格闘技で圧倒的な強さを誇る日本女性が目に付く。
これは、靴下はともかく、女性が強くなったのは何も戦後というわけばかりでないようだ。遠い昔からの伝統ではないかというのが、日経新聞のコラム「波音」子である(5月25日夕刊)。
 平安時代に編集された説話集『日本霊異記』にも強い女性が登場する。
素晴らしい手織りの着物を身に着けていた部下の着物を取り上げた国守の話である。
この部下の妻は、国守が座っている床を二本の指でつかみ、役所の外に持ち出し、着物を取り返す。
 なんと、心強いベターハーフであることか。

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May 26, 2006

ダ・ヴィンチ・コードのなぞ

 検閲の問題で無期限の公開延期となってしまったというインドをはじめ、世界中で議論を呼び起こしながら、好調なオープニングを記録した『ダ・ヴィンチ・コード』。
 社会現象とまでなった原作を、出版早々読むことをすすめられながら、「映画化されるまで待っ」たのだったが、何とその面白さがわからないばかりか、ストーリーも十分に追えない。
我が「エンターテイメントご指南役」に解説をお願いする。
“私たちにはキリスト教の持っている時代背景の深さが勉強不足で比喩が読み取りにくく、さらに画面は省略され急ぎすぎているのではと感じています。
小説ではこうした謎解きの面白さとスリルが丁寧に書かれているためやっぱり一読をお勧めします。世界的なベストセラーとなっている要因が文字から理解されると思います”と。
 ただ、べたべたしたラヴシーンがないのはよろしい!
ダ・ヴィンチの絵画にこめられた暗号に挑む二人の間には、当然恋愛感情が芽生えてくる。しかし、オドレイ・トトゥ演じるソフィー・ヌヴーは、マグダラのマリアの末裔だった。その恋の相手が畏れ多いキリスト様の末裔ということで諦める男の哀愁の思いを、直裁の言葉ではない演技で見事に演じたトム・ハンクスがいい。

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May 25, 2006

行こうと思えば、道なんぞいくらもあるもんだ

 姫路文学館の特別展「松谷みよ子の世界」で、あらたな元気を貰った。
“モモちゃんを読んでみんな大きくなりました”と、その「モモちゃん」から始まる展覧会。
松谷さんの代表作『ちいさいモモちゃん』が生まれて40年余りだという。
17歳のとき、亡き友のために始めての童話を書いてから60余年。児童文学の世界に常に新風を送り続けた松谷文学の裾野は広い。
戦争の傷跡や環境破壊などの社会問題を描いた『ふたりのイーダ』『死の国からのバトン』などに加えて、『龍の子太郎』『まえがみ太郎』などの民話・伝説の再話。大きくなりすぎた魔女としては、「現代の民話」採集の仕事が、民話の視点に新しい視野を広げ、それらが単なる昔話に終わることなく現代社会のなかに生かされ、語り継がれていることに感動を覚えた。
秋田民話『ちょうふく山のやまんば』を原話とする『やまんばの錦』のあかざばんばのセリフがある。
普段えらそうなことばかりいって威張っているくせに、いざとなったらからきしだらしない二人の若者と対照的に「行こうと思えば、道なんぞいくらもあるもんだ」と言い切って、さっさと山へ登っていく70才もとうに超えたあかざばんば。
こうした勇気と見識ある行動によって、山んばの錦という宝物が手に入り、村人たちに幸せがもたらされた。
 「勇気と見識ある行動」が21世紀の社会も救うのだろうか。

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May 19, 2006

同行二人を二人で

 某旅行会社「四国八十八ヶ所お遍路の旅」の新聞広告をみた連れ合いが、急に参加を思い立った。
特別の興味も、心構えもないままに第1回の日を迎えたのが去る4月2日。
その第1回は、霊山寺、極楽寺、金泉寺、大日寺、地蔵寺、安楽寺と、雨の中の巡礼の始まりだった。 明日は第二回目。
朝7時15分、姫路駅前からバスに乗る。
加古川、明石とお客さんを拾ってバスは明石海峡大橋を過ぎて大鳴門橋を渡ると、そこはもう四国であった。
関東以外の地に住んだことがない身にとって、関西文化圏は風も空気も物珍しいが、姫路転居の第一の功徳?は、四国が近いことと言えよう。
 遍路の心得五箇条というものがある。(弘法大使誕生の地、讃岐の屏風浦、総本山善通寺発行のパンフレットより)
一、自然に還る
二、つねに仏とともにいる
三、人間愛に徹する
四、心身の病魔を去る
五、宗教生活の意義を体験する
とりあえずの関心は、五、宗教生活の意義であろうか。
 また、明日も雨のようだ。

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May 15, 2006

2006年W杯でグリーンゴールを

 15日、サッカーのワールドカップ(W杯)ドイツ大会に出場する日本代表23人が発表された。
ジーコ監督の“苦悩の選択”という布陣とか、コマーシャルでお気に入りの大黒選手が選ばれたのは嬉しい。
 今回のワールドカップでは、「グリーンゴール」という環境コンセプトが掲げられている。
開催国のドイツは、サッカー強国として有名なだけでなく、環境先進国としても知られている。
それだけに、フィールドで繰り広げられる熱戦だけでなく、その陰にある環境対策も注目されている。

2006年W杯に「世界で最初の二酸化炭素排出量ゼロの大会にする」という環境目標を設定したFIFA2006運営委員会は、本大会の環境コンセプトとして「グリーンゴール」を掲げた。
運営委員会は民間研究所と共同で、12ヵ所の開催地におけるそれぞれの都市とスタジアムの環境面の特徴を把握し、その改善目標と対策を設定。活動の中心は水、ごみ、エネルギー、交通の4部門である。

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May 12, 2006

二.五人称の視点

 医療の現場や航空会社をはじめ、多様な専門職の人々に対して柳田邦男さんが、提唱しているのが「二.五人称の視点」である。(5/12日経夕刊、中野香織「モードの方程式」より)
人を対象とする専門職に求められるのは、一人称と二人称を考慮に入れつつ三人称的な専門的判断を下せる二.五人称の視点であるというもの。
自分だったら、という一人称の視点。家族ならばという二人称の視点。そして他人事と見る三人称の視点。一人称、二人称の視点だけでは感情に走って冷静な専門的判断が下せなくなる。かといって無味乾燥な三人称の視点であれば、人をモノとして扱うことになりかねない。
 中野さんは、小さな腫瘍の切除手術を迷っていた友人が、セカンドオピニオンを求めた医者の「僕の妻だったら、医者として出来るだけ早い時期に手術すると思う」という一言で手術を決心した例をあげ、プロの医師としての視点と患者を家族のように親身に思う視点を併せ持ったこの一言を「二.五人称の視点」かと書いている。
 心のこもっていない三人称的会話を二.五人称風に楽しませる技術、魔女の条件でもある。

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May 11, 2006

サイズの違うちぐはぐなウツクシサだなんて

「ORICON STYLE」が10~40代の男女にリサーチした『 母の日に贈りたい曲 』である。
『男性が選ぶ母の日に贈りたい曲』1位は、海援隊の「母に捧げるバラード」(1973年)。
2位の井上陽水・奥田民生の「ありがとう」に続いて3位は、SMAPが4月19日(水)にリリースしたばかりの「Dear WOMAN」という。
資生堂TSUBAKI CMメッセージソング でもあるが、「母親として、女性としてこれからも頑張って欲しいから」(新潟県/30代/男性)や「活動的な母親に贈るのにピッタリな曲だから」(福岡県/10代/男性)など、あくまでも母親を“女性”として接し、また彼女達を応援する事がテーマであることが点を稼いだようだ。

 ♪君がどんなに否定しても 本当だから揺るがない
 「君はとても美しい」という真実♪

と、言われてちょっと面映いものの、♪どこかよそから借りてきた、サイズの違うちぐはぐなウツクシサ♪ではないぞと内心胸を張る!?

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May 09, 2006

あなたの1クリックが世界の子どもを救う

第二次大戦で被災した子どもたちの緊急援助を目的に1946年の第1回国連総会で国連国際児童緊急基金(United Nations International Children's Emergency Fund=UNICEF)として設立されたユニセフは、2005年現在、155の国と地域で子どもたちの生存と健やかな発達を守るため、保健、栄養、水と衛生、教育などの支援事業をその国の政府やNGO、コミュニティと協力しながら実施している。
そのユニセフ募金に気軽に参加できる方法があった。
 1クリックが1円のユニセフ募金に!という「世界のこども支援クリック募金」が実施中である。
 日本製粉(株)は、2006年4月6日よりNIPPN「世界のこども支援クリック募金」をはじめた。
ウェブサイト「クリック募金―1クリックで救える命がある」にアクセスし、クリックボタンをクリックすると、1クリックあたり1円が日本製粉(株)からユニセフに募金される仕組み。
その日のクリック数や募金額も一目でわかる。期間は6月30日まで。1日に1クリックできる。

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May 07, 2006

お菊さん「まちづくり」に貢献

「一ま~い、二ま~い、三ま~い・・・」夜な夜な井戸から聞こえてくる、皿を数える女の声。
怪談『播州皿屋敷』にちなんで、お菊の忠誠を後々に伝えようと明治時代に「播州皿せんべい」が作られたという。
第2次世界大戦を境にして姿を消していたこの皿せんべいが復活、本日から売り出された。その名も「お菊物語 播州皿せんべい」。1箱9枚入りの卵せんべいである。包装紙には姫路市内の高校生らが担当した現代風のお菊さんが。
1箱9枚にしたのは、お菊さんが家宝の皿(10枚1組)を1枚なくしたとして無実の罪を着せられて殺され、井戸に投げ込まれたことによるといい、縦横6センチ、卵の味わいが懐かしい。包装紙と同じ顔のお菊さんが焼き付けられている。
 現代風に蘇った「烈女 お菊」さんはどこまでも明るく、怨念はすっかり消え、まちづくりに一役かっているかに思われる。

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May 06, 2006

子どもの権利を取り戻す

 国際労働機関(ILO)がまとめた児童労働の報告書について、同報告書について事務局長ファン・ソマビア氏は、“勇気づけられるニュース”があり、これは“統計を超えた尊厳と希望の物語”あると語っている。(5月5日、朝日新聞「子どもの日 世界の児童労働に終止符を」)
 危険で有害な仕事をはじめ児童労働は世界各地で減少の兆しを見せ始めたというのである。
この4年間に児童労働者数は11%に当たる2800万人に減り、危険で有害な労働は26%も減少した。
世界中の多くの少年少女たちが、搾取から真の機会へ、作業場から教室への途についたのである。
そして報告書は、今後10年間に、最悪の形態の児童労働(18歳未満の子どもの債務奴隷、人身取引、強制労働、武力紛争への強制的な徴集、買売春・ポルノ制作・危険有害業務など)を撤廃する目標も掲げている。
 さらに、ソマビア氏は、「すべての子どもたちに子ども時代の権利を取り戻させる闘いに力を注ぎ続けることを決意しよう。この闘いに加わっていただきたい。・・・・」と続けている。
 

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May 05, 2006

桃を食べて若返った、おじいさんとおばあさん

 江戸時代の絵本 ネットで公開されている。
国立国会図書館国際子ども図書館は、子どもの日に合わせ、江戸時代の絵本10作品と、18世紀後半から19世紀に描かれた欧米の挿絵約200枚などを、同図書館ホームページにある「絵本ギャラリー」で公開している。江戸こうかいされているのは、「桃太郎宝の蔵入り」「舌切り雀」など。和楽器によるバックミュージックが流れる中、落語家らがわかりやすい現代語訳で朗読する。英語の解説文もある。
 桃太郎は、「東海道五十三次」などで知られる浮世絵師歌川広重が描いたもの。
おじいあんおばあさんが桃を食べて若返り桃太郎が生まれたという、幼い頃聞かされた、そして子どもに読んでやった話とはちょっと違う筋書きである。

江戸絵本のコーナーには、10作品のほかに江戸絵本から影響を受けた「長ぐつをはいた猫」など西洋の2作品もある。

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May 04, 2006

子どもと高齢者の数は差が開くばかり

 端午の節句を前に官邸の前庭に掲げられたこいのぼりを観賞した小泉首相、5匹のこいのぼりを家族に見立て 「夫婦と子ども3人が平均的になるといいねえ」と。少子化対策ではなかなか妙案が浮かばず“子だくさん”のこいのぼりがうらやましそうだったという。
それもそのはずである。子どもの数は25年連続減で1747万人、人口比最低である。
 「こどもの日」にちなんで総務省が4日まとめた人口推計によると、4月1日現在の子ども(15歳未満)の数は1747万人で前年より18万人減った。1982年から25年連続の減少。総人口に占める子どもの割合も32年続けて低下し、13・7%と過去最低を更新した。
 少子高齢化を反映して、逆に65歳以上の人口割合は20・4%と過去最高で、子どもと高齢者の数は差が開く一方だ。
 また、内閣府が日米韓など5カ国で実施した「少子化社会に関する国際意識調査」によると、子供を持つ男女のうち「子供を増やしたい」と答えた人は日本で約4割と調査国中で最も低く、約8割のスウェーデンの半分程度の比率にとどまった。日本や韓国では「増やしたくない」と答えた人の半数以上が「子育てや教育に金がかかりすぎる」と金銭的理由を挙げ、他国に比べて金銭負担が重荷となっている実態が浮かび上がった。(毎日新聞 - 4月27日21時26分更新より)

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May 03, 2006

自分の今を表現する

横田早紀江さんがブッシュ米大統領にあてた英文の手紙の全文を共同通信でみた。

 親愛なる大統領閣下

 娘のめぐみは1977年、北朝鮮に拉致されたとき、13歳で、中学校から歩いて帰る途中だった。その後、20年間は、彼女に何が起きたのか分からず、苦悩の時を過ごした。
 後に亡命した北朝鮮工作員からめぐみが拉致されたことを聞いた。工作員は「彼女は、工作船の船底にある小さな暗い部屋に閉じ込められ、(日本から北朝鮮へ)暗い海を渡る間、『お母さん助けて』と叫びながら、部屋の壁をつめでかきむしっていた」と証言した。
 同封したのは、拉致された後、北朝鮮で撮られためぐみの写真。めぐみは、音楽が好きで、元気な女の子だった。でも、この写真では、とても寂しそうで、私は、思わず「めぐみ、あなたはこんなところにいたの。とても怖かったでしょうね。まだ助けてあげられなくてごめんね」と言い、写真をなでた。
 今でも、めぐみとほかの拉致被害者は、北朝鮮で生きているに違いない。子供の失われた年月は、取り返しがつかないが、世界中の国から拉致された被害者を救い、残りの人生を自由の国で過ごさせてあげることはできる。政府から非道な人権侵害を受ける北朝鮮の国民のことも忘れてはならない。
 大統領、私たちがあなたと米国民の助けをどんなにありがたいと感じているか知っていただきたい。
                           横田早紀江
何と、心を打つ文章であることか。
今を、自分のありようを、過不足なく表現することの難しさに悩むとき、読み返したいと思う。
西山弘道氏の 「早紀江さんの表現力」(甦れ美しい日本 第064号)も、考えさせることが多い。

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