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November 30, 2005

ある年賀状「もうすぐかえるよ」

 「賀正
 たくやてつや おとうさん おかあさん
 もうすぐかえるよ!!
 まっててね
          めぐみ    」
 1975年の暮れ、旅先から一足早く家族にあてた、横田めぐみさんの年賀状。
めぐみさん小学5年生の時である。

 めぐみさんが拉致されて28年、先日有楽町のギャラリーで開かれた写真展での展示の模様を、作家出久根達郎さんが日経新聞夕刊「レターの3枚目、もうすぐかえるよ」に書いている。
隣で見ていた老婦人が「めぐみさん、がんばってね」と孫に言うように、つぶやいていたという。

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November 29, 2005

あったかシニアのファッションショー、モデルも高齢女性

27日、北国で暮らす高齢者が防寒や着脱のしやすさを兼ね備えた衣服でおしゃれを楽しめるようにと、「シニアのためのいきがいファッションショー」が札幌市中央区の同大北方圏学術情報センター・ポルトで開かれた。
 70、80代の女性を調査対象に、衣類の組み合わせによる皮膚温度の変化や体形を測定し、保温性や動きやすさに優れた衣服の形や素材を探った結果、ウールのジャケットの両脇部分にニットを取り入れ着脱しやすくしたものや、白や水色など明るい色を使って表情を美しく見せるコートなど約四十点を制作したもの。

 ショーのモデルは、制作に協力した高齢女性20人。
工夫点を分かりやすく見せるために腕を上げたり、前身ごろをめくったりして、会場を沸かせた。(11/28、北海道新聞)

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November 28, 2005

宇宙旅行を終えた酵母

 高知県では19の酒蔵と公的研究所などが連携、宇宙を旅した酵母で醸造する「宇宙酒」づくりが進んでいる。(11/28,日経夕刊「新種の新酒」)
「土佐鶴」などの銘柄で知られる高知県の日本酒も、焼酎ブームに押され気味。ピークの1975年には約160億円あった売上高は、現在年100億円を割る込むのだという。
「何とかしなければ」という危機感と新もの好きの土佐っぽ気質が奇想天外な発想を実現へと動かした。県内で開発された試験管10本分の酵母と酒造好適米が、バイコヌール宇宙基地(カザフスタン)からソユーズで打ち上げられた。国際宇宙ステーションに滞在すること1週間。“宇宙旅行”を終えた酵母がロシア側から引き渡された。
凍結して打ち上げられた今年用の酵母については、発酵力や香りに変化はなかったが、来年用は、凍結せずに宇宙で培養してきている。関係者は「新しい酵母に変化している可能性もある」と期待。
いずれにせよ、29日から各酒蔵に今年用の酵母が配られ、仕込が始まる。
 来年4月の「土佐宇宙酒」の誕生が待たれるところである。

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November 27, 2005

銭がなくても暮らしていけるところ

 石巻市北上町は、宮城県の「食育の里づくり」事業モデル地区の一つである。
地元の食材を生かした食や食をめぐる慣習をいかに次世代へ伝えるかといろいろな取り組みが行われている。
 国立民俗学博物館教授の小長谷有紀さんは、この地域の特徴として、一人の女性が、この地に嫁いだ頃の思い出として語った「ここは銭がなくても暮らしていける場所だと思った」という言葉を紹介している。(11/26,日経夕刊:あすへの話題「豊かさの証明」)
現在でもこの町にはコンビニがなく、それが人々の自慢の種だという。
 ねぎが足りなければ、「あんたの畑から貰ってきたからね」と、ちょっと声をかければすむ。それはまるで一人一人が誰かにとって重要な店であって、コンビニという便利さはいらないのである。
 そんな豊かさの指標があり、証明方法がある一方で、世界銀行のように、一日約一ドルを貧困線と設定し、それ未満で生活する人を貧困とみなす定義もある。
 「銭なし」という基準が一方では豊かさの証明となり、一方では貧困の所在となることに、現代社会の構造的問題を見る。

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November 26, 2005

何かがおかしいと思ったら

 ニューヨーク在住30年の写真家渡邊奈々さんは「日本人には自分より恵まれない立場にいる人に対するコンパッションが欠けていることを、指摘されたり体験することがしばしばある」と語っている。(マガジンハウス「Croissant」674)
コンパッションとは相手の立場になって考え、感じる、より積極的な同情心のこと。米社会では市民の当然の責務として、子どもの頃からしつけられているという。
「日本ではベンチャービジネスが盛んですが、アメリカでは財政的リターンだけではなく、ソーシャルリターンを重視するソーシャルベンチャーが、'90年代末から注目を浴び始めました。
そして今、この社会福祉と先鋭的ビジネス方式を融合させた社会起業は発信地アメリカから世界中に広がっています」と渡邊さん。
 渡邊さんが約5年かけて100件近くを取材したそれらの活動は、内容も規模もさまざまである。しかし「共通しているのは各人が情熱だけでなく、確かなビジョンと行動力を持っているということ」。
 彼らの社会への思いや関わり方は素晴らしいが、特別な人というわけではないようだ。
「自分が正しいと思ったことを、信念を持って続けるだけ。私達にもできます。でも同情や思いやりだけでは社会は変わらない」とも。
 何かがおかしいと思ったら、分析し査定し、具体的な戦略を考えて実行することが重要であるということか。

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November 25, 2005

未来を変えるおまじない

『全日本エコ川柳大賞』と題するコンテストが、今夏第4回を数えた。
「エコ川柳を文化に」という姫路市の試みは、「地球こそ宇宙遺産の一番目」と、さすがに世界遺産を持つまちらしい。
葉書や電子メールで受け付けられた作品は、計6,869句 。
10歳未満:10名/10歳代:488名/20歳代:756名/30歳代:670名/40歳代:399名/50歳代:353名/60歳代:377名/70歳以上:299名/不明:70名/ の合計3,422名 から寄せられた。          
大賞
 「歩こうよいろんなことが見えてくる」
優秀作品賞
 「何もない町だが青い空がある」
入賞
 朝顔のすだれ佳人の住みそうな
 包装紙なくても愛はとどきます
 闊歩するエコスタイルの君が居る
 君といて暖房そっと下げてみる 
 灯を消して語らう一夜あっていい

 編み直す毛糸若き日しゃべり出す
 めだかとり昔の僕がそこにいる

 ごみ一つ捨てぬプライドくらい持つ
 スイッチを切れば地球に灯がともる
 百年後の空に優しい橅の苗

 ばあちゃんの「もったいない」は国際語
 「モッタイナイ」未来を変えるおまじない

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November 24, 2005

「紅天女」が能に

「ガラスの仮面」という演劇界を舞台にした少女漫画をご存知だろうか。
週刊『花とゆめ』(白泉社)で連載が始まって30年、単行本も42巻まで発行され、5000万部以上が売れている。
その「ガラスの仮面」に描かれた劇中劇「紅天女」は、主人公のマヤとライバル亜弓が主役の座を争う“幻の名作”とされる演劇である。
 仏師一真と梅の木の化身のその悲しい恋の物語が、新作能として、来年2月、東京・千駄ヶ谷の国立能楽堂で上演されるという。作者美内すずえさん監修のもと、宝塚で「ベルサイユのばら」などを手がけた植田信爾さんが脚本化した。
 原作ではまだ結末は明らかにされていない。
試演をみた美内さんは「大事にとっておいたシーンが現れ、やられた、と思った。神秘的な舞を見て、これを超える漫画がかけるかなとプレッシャーを感じる」と話している(11/23、朝日)。
 遅々として進まぬ「ガラカメ」の展開に、母娘で翻弄された日々が懐かしい。

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November 23, 2005

人生のレシピ

  アメリカの心理学者ドロシー・ロー・ノルド博士が、シダックスのために詠んだ詩

ゆっくり生きよう
自分をとりもどすために

ゆっくり生きよう
願いをかねるために

ゆっくり生きよう
バランスよく暮らすために

ゆっくり生きよう
「ありがとう」と言うために

ゆっくり生きよう
考え、感じ、始めるために

ゆっくり生きよう
よく働き、よく遊ぶために

ゆっくり生きよう
心の声を聞くために

ゆっくり生きよう
太陽の光、星のきらめきを感じるために

ゆっくり生きよう
「いい一日だった」と言えるように

ゆっくり生きよう
命とつながるために

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November 22, 2005

笑う夫婦に福来る

11月22日、今日は「いい夫婦の日」。
1988(昭和63)年に制定されたという。
落語家の桂 文珍さん(『「いい夫婦の日」をすすめる会』名誉会長)は、いい夫婦のカタチや幸せを問われて“パートナーの条件は、笑いを共有できること”と答えている(11/22、毎日新聞)。
 落語には、酒飲みの亭主と、その亭主を更生させようと嘘をつく『芝浜』の女房、亭主の遊びにぼやきながらも付き合う『青菜』の女房と、微笑ましく、やさしい夫婦を描いたものもあるが、“あんまりいい夫婦はおりません”という文珍さん。
それにいまどき、女性の自己犠牲の噺というのはうけないらしい。
愛人を自分の家に住まわせようと一芝居打つ『おふみさん』なる噺など、高座で非常にやりにくいとか。「男の価値観の話やからで、女性が社会に進出なさって、強くなった今の時代には合わないんですね。新しい価値観で、古典も補強せなアカン」と。
落語にも影響を与えるくらい夫婦のカタチも変わってきたといえようか。
 まぁ、たまには寄席に行って、一緒に笑えたら幸せということで、文字通り笑う門には福来るである。

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November 21, 2005

のど飴といっしょにバッグに忍ばせるもの

風邪の季節がやってきた。
インフルエンザの予防注射も高齢者の特典活用で済ませた。
しかし、問題は暖房とともに乾いた室内の対策である。
自宅ではともかく、乾燥しがちなオフィスやホテル、長時間の移動中をどうするか。
外出時にもさりげなく使える加湿器があった。
その名も「ちょこっとオアシス」。
電源不要。
サイズはやや大き目の携帯電話ぐらいで90gと軽い。
トレイ部分に120mlの水を入れておくと、花びらのように開いた紙のフィルターが、周囲の湿度を5%近くアップさせる。
乾きがちな毎日に、風邪予防の花を咲かせよう。
外出時にはのど飴と一緒にバッグに忍ばせておきたい。

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November 20, 2005

今年のクリスマスプレゼントはこれで決まり?

「すし」や「アヒル」型USBメモリーのコレクターは多い。
それほどの必要性もなしについつい手にしてしまうが、今度はダイアモンドのピアスである。
世界最小USBメモリー「アイディスク ダイアモンド」。
重さ約1グラム。人差し指の第一間接くらいのチップで、ピアスになるフックが付いている。
携帯用のストラップにもなる。要領は、128メガバイト。実勢価格4980円。
ピアスにして耳につけてみる。
半導体のきらめきがゴージャスな気分を演出・・・・・、というわけにはいかないけれど、オタクっぽさ満点。
そのセンスさえ我慢すれば、大きさや重さはピアスとして違和感はない。
でも、お似合いなんておだでられてもちょっとなぁ!!

 

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November 19, 2005

パソコンのお供といつまでもお熱く

 急に冷えこんできた。
メールやチャットに夢中になっていたら、マグカップの中は冷え切っている。
折角のコーヒーを煎れなおす時間も惜しいあなたに、「USBカップウォーマー」というのは如何?
パソコンのUSBコネクターにケーブルを差し込んで、リストバンドのような本体でマグカップを包めば、カップを暖め続けてくれる。
 本体側面にはスイッチも内蔵しているため、使用しない場合にわざわざUSBケーブルを外さなくても、スイッチだけでオン/オフを切り換えることも可能。
パソコンのお供と、いつまでもお熱い中でいられるというわけである。
 

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November 18, 2005

「a good women」は「理想の女(ひと)」か

平河総合戦略研究所代表理事奥山篤信さんは、外国映画の題名について、文化を無視したピント外れの日本語翻訳が多いという。

映画「理想の女(ひと)」の原作は、オスカーワイルドの「ウインダミア卿夫人の扇」という戯曲であり、1892年にロンドンで初演され大ヒットとなったものである。
原作は、主人公アーリン夫人は、若い時、子供(ウインダミア卿夫人)と夫を捨てて愛人の許に走ったのだが、その後、愛人に捨てられ男性遍歴を繰り返す。ウインダミア卿は、そういう過去を持つアーリン夫人が妻の母親だと妻や世間に知れることを恐れていて、アーリン夫人がそのことを公表しない代償として、彼女に経済的援助をしていた。その援助が発覚して誤解するウインダミア卿夫人と夫人に恋するダーリントン卿などが織り成す人間模様がこの原作の醍醐味。
しかし、このアメリカ映画『理想の女(ひと)』は「善良な人々」の集まりであり、アメリカ的道徳観に満ち溢れ、このアーリン夫人が「一時的」ではなく自己犠牲的な母性愛を取り戻し、そして富豪と無事結婚しhappy endといかにもアメリカらしい。
原作の「退廃の中の女性のダンディズム」というワイルドならではの世界が、映画では「ふしだらな悪女にも最後にはモラルがあった」という大団円でいかにもアメリカ的な平坦な話に成り代わっている。

 原作と映画との違いに文化の差が出ていて面白い。

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November 17, 2005

老人は自らが育てる

 子どもは親が育て
 青年は教師が育て
 成壮年は社会が育てる
 だが老人は自らが育てる
 その齢を私は何年も前に迎えている

 私は年老いて職を辞しても
 強い風が吹き
 激しい嵐が襲っても
 テニソンの詩「かしわぎ」のように
 毅然と立ちつづけたいと願って今日も生きる

   日野原重明「老樹 老いても毅然と」『いのちの哲学詩』より

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November 16, 2005

紅葉の金閣寺「ビューティフル」

16日朝、首脳会談に先立って、来日中のブッシュ米大統領夫妻は小泉首相と金閣寺を訪れた。
池をはさんで朝日に輝く金閣寺を目にした大統領、「ビューティフル」「実に平和だ」と感嘆の声を上げた(11/6、日経夕刊)。
 首相と大統領は靴を脱いで金閣の中に入り、並んで本尊の阿弥陀像に合掌。
大統領が「靴下に穴が開いていなければいいが」とおどけると、ローラ夫人は「大丈夫よ」と応じたという。確かに、アメリカでも女性ばかりでなく、靴下も丈夫になったようだ。
先導役の有馬頼底住職から、父のブッシュ元大統領も訪問したと聞かされ、大統領は「自分も金閣寺ですばらしい時を過ごしたと父に伝えます」と語ったという。
 首脳会談の成果も「ビューティフル」と期待したいものである。

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November 15, 2005

南京古南都飯店の友好の鐘

 南京古南都飯店は、元は日本の名古屋有力企業29社が合同出資していた南京唯一つの日系ホテルだった。古南都の名も、「名鉄グランド」の「グランド」を音から漢字表記したもので、五台山体育館付近にそびえたつ1993年開業の26階建てのその建物は、その変わった風貌から当時の南京人の関心をひいたという。
「日本の刀を土にさした格好(刀の柄の部分)に似ている声もあった」とか。
もともと江蘇省と愛知県の間で進められようとしていたこのプロジェクトに愛知県が難色を示し、そのバトンが名古屋の財界に回ってきた。そしてこの「ホテル投資」の英断を下したのは、当時の名古屋商工会会長竹田弘太郎氏(名鉄会長)。ホテルロビーの大きな石柱に、氏の“1990年3月18日、日中合資南京古南都飯店”の字が見られる。竹田氏は、日本軍に参加したご兄弟を南京戦で亡くされており、ご兄弟への弔いと日中友好の思いを込められたその思いがこの「礎」にしっかりと刻まれている。
 またフロントの仕掛け時計は、右に名古屋の象徴「名古屋城」、左には南京の象徴「中山陵」が描かれている。日本から渡ったその時計は、日系資本が撤退した今でもそしてこれからも、南京で永遠に友好の鐘を鳴らし続けることだろう。

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November 14, 2005

中国のお茶

南京古南都飯店で行われた会議場の300人分のテーブルには、空っぽのグラスが置かれていた。
席についてみると、底のほうにスプーン1杯程度の茶葉が入っている。地元特産の「雨花茶」であろう。会議の間中、何度も何度も熱い湯がサービスされ続けた。
缶ジュースでもなく、ペットボトルの冷たいお茶でもないところが、いかにも中国らしいということだろうか。
 上海の友人がお土産に、湖心亭の工芸茶を持参してくれた。
湖心亭は、豫園の蓮池中央に建つ上海最古の歴史的な茶楼である。
ジャスミンの香り漂う8種類の最高級工芸茶は、銀針茶をベースに茉莉花、金蓮花、千日紅、百合花、桂花、菊花などの花が丁寧に丁寧に包み込まれている。
決して大量生産されているのではなく、職人さんの手でひとつひとつ愛情を込めて作られているお茶。
なかでも、漢方でも使用されることが多い菊花は、特に目が疲れた時に飲むとよいと言われており、パソコンと一日中向き合っている方にはオススメとか。
 見て美しく、味わって心やすく、そして健康にもいいとは、これもやはり4000年の文化である。

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November 09, 2005

命が終わるにあたっての義務教育

 現在、がんで亡くなる人が増えていく一方で、医療費の抑制や病院での入院期間の短縮という制度的な変更があり、制度から外れた患者が行き場をなくし「がん難民」といわれるような状況にさらされている。
そんな中で、緩和ケア病棟ホスピスや在宅ケアという道があることを考えておきたいと思う。
このたび発行になる「がんになっても、あわてない」(朝日新聞社)の著者平方眞さんは、“がんになることを人生設計の中に入れるべきだ。自分の人生が永遠に続くとか、すべて順調にいくという設計はしないほうがいいと思います。もちろん事故や病気がなかったら、ラッキーといって祝杯をあげればいい。がんになることを人生設計に入れるということは、がんになればどんなことが自分を待ち受けているかと考えることです。幸いにして今は、治らなかったとしても、自分を支えてくれる緩和ケア病棟ホスピスや在宅ケアなどが増えてきています”“人生の予定表の中に、命が終わることと、予定していないことが起こること、その二つは入れておかなければいけないということです。そうした可能性を考えると現実になる気がするという人が、特に日本人には多いようです。でも、考えなければ人生がうまくいくかというと、そうではない。実際に起きてしまってからあわてることが多い”と語っています。
そして、“命が終わるときにあたっての基礎的なことを教える義務教育は必要ですね。必ず来ることですから”とも。
  (対談「がんになるのも人生設計のうち」朝日新聞社:一冊の本11月号より)

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November 08, 2005

百婆、夫を送るとき

 わらび座ミュージカル「百婆」を観る。
朝鮮半島から連行された陶工の妻が、夫の葬式を「クニのやりかた」で行おうとすることから生じる騒動を描いた舞台。
「百婆」とは、有田焼400年の歴史に唯一名を残し、有田の母ともいわれる「百婆仙」のこと。豊臣秀吉の朝鮮侵略で連行された多くの渡来陶工から尊敬され慕われた百婆仙は、1656年に96歳で亡くなり、その墓は今も報恩寺境内の「蔓了妙泰道婆之塔」にまつられている。
 物語は、朝鮮人陶工の頭領である龍窯当主辛島十兵衛こと張成徹が死亡したところから始まる。
故国を離れ、散々苦労した末に日本で初めての登り窯「龍窯」を築いて、藩主が将軍家に献上できるような立派な陶器を焼き上げるまでにした夫の葬儀を、故国式の土葬にしようと望む妻「百婆」。
 代官所の機嫌を損ねてはならないと、母の願いに反し、火葬を行うことを決意する長男と一族郎党。
その両者の知恵比べが、ユーモアたっぷりに繰り広げられる。

 笑って、やがて哀しい、二つの文化が織りなす人間模様である。

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November 07, 2005

天晴れな紅葉

秋の残照に映える紅葉の燃えるような朱色の「恋染紅葉」は、11月の誕生色である。
1981年、新潟県・十日町織物工業協同組合が制定。
「もみじ」は、「揉み出ず」が変化したもので、色が揉みだされるという意味だという。
植物分類上では、すべてカエデ科の植物で、モミジ科の植物というのはない。
夜の冷え込みが厳しくて、日中との寒暖の差が大きければ大きいほど、その色は美しく、鮮やかさを増す。
 厳しさを乗り越えて、しかもそれを肥やしにすることが出来る・・・・・そんな紅葉の天晴れさが、人の心を打つのだろう。   (山下景子「美人の日本語」幻冬舎)

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November 06, 2005

IT甲子園

 去る10月28日、「文化の国体」と呼ばれる国民文化祭の新しい種目として話題となった「IT甲子園」の表彰式が行われた。(11/5,日経「デジタルスパイス」)
「IT甲子園」は、「国民文化祭・ふくい2005」の催しの一つとして、福井県勝山市が企画実施したもの。
「IT甲子園」は、全国の高校生、高等専門学校生を対象としたホームページコンテストだが、その実施方法がユニークである。応募者のホームページを元に予備審査を行い、予選選出チームは今年の夏休みに勝山市に招かれた。そこで主題された課題は、勝山市の史跡「平泉寺」をテーマにするホームページの制作。同じ課題、同じ時間内で出来栄えを競う。出場選手達は現地取材を行いながら、4泊5日という滞在期間内のゴールを目指してホームページ制作に取り組んだ。
 優勝は、名古屋市立工芸高校の女子二人組、準優勝は、福井県立勝山高校の男子二人組が受賞。入賞は、努力賞二校を含め十校。
上位校の出来栄えは見事で、IT企業の経営者でもある審査員の一人は「就職は是非わが社に」と挨拶したほどだったという。
 見事な若い世代へのIT振興策にも脱帽である。

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November 05, 2005

女神の贈り物、霜

 近くの園芸店で、「ホワイト・マザーズ・デイ」なるバラの苗木をみた。
留守がちなマンション暮らしを心配して、店の女主人は、霜の降りる頃まで待てという。
ベランダでの滞りがちな水遣りに、せめて霜の助けでも借りてというわけである。
 霜を降らす女神のことを、青女(せいじょ)というらしい(山下景子「美人の日本語」幻冬舎)。
その結晶の形から、六つ花と呼ばれる雪に対して、三つ花とも呼ばれる。
日が昇ればその光に溶けて、消えてしまう霜の花。それは、寒い朝に早起きした人への女神の贈り物かもしれない。
霜の花がバラへの恵みの水になることを期待して、初めての土地での霜降月が過ぎていく。

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November 04, 2005

紫式部 幸運な花木

 紫式部の花が、深まった秋の冷気のなかで一層その色を濃くしている。
大貫昭彦「かまくら花物語」(かまくら春秋、10月号)によると、“今でこそ人気の花木だが、江戸の本草書「花彙」には「牛誚子」(ぎゅうしょうし)とある。牛を繰る鼻木、牛輪の意。材の堅い実用の木だった”とか。
同じ頃、珠紫(たまむらさき)、紫重実(むらさきしきみ)など花木の名も通用し始めていたらしい。重実は、実がなる意。これがシキブに変化し、平安の女流作家の名前に重なった。
 しかし、紫式部の木は、4メートルにもなる野趣の強い木であり、“雅”と呼ぶにふさわしいのは枝垂れる小紫式部のほうである。
“紫式部より丈の低い木は、これも偶然、和泉式部の娘、小式部内侍に重なった。重ね重ねいい名に恵まれた花木だ”とその幸運を喜ぶ大貫さんである。

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November 03, 2005

心語り

 気持ちや意思を伝えたいという重度障害者の願いが、パソコン関連技術の発達で、かない始めていると言う。(「YOMIURI PC」12月号)
この11月には、ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者の意思表現を支援するツール「ハンズフリー・キーボード」(ダブル技研)が発売される。
ALSでは先ず足がもつれる、口がうまくきけないなどの初期症状が現れ、最終的にはすべての身体部位が動かなくなる。
特殊なキーボードを通常のパソコンに接続する。そして患者がかける眼鏡のツルに、レーザーポインターを装着する。これで通常のパソコン操作はすべてできる。
 さらには、残念ながら意思伝達に、もはや「身体の動き」にすらも依存出来なくなるほど症状が進んだ患者にとってのコミュニケーション装置も実現した。
患者の頭脳が発する何らかの生体信号をとらえるもので、その一例が、日立製作所とエクセル・オブ・メカトロニクス、日本ALS協会が共同開発した通常のパソコンに専用ソフトが組み込まれた「心語り」である。
患者が「イエス」か「ノウ」かで答えられる質問をする。
患者の頭部に装着したヘアバンドの発光ダイオードの反射光により、脳内血液量の変化を測り、その意思を確認しようとするもの。
「さらに研究してから製品化する計画だったが、患者の家族からの要望が強く、今年中に販売することになった」という日立製作所・事業企画室小澤邦昭さん。
次のステップでは、患者の応答に必要な時間を現在の36秒から5秒に短縮して、文字を伝達可能にすることが目標だという。
パソコンがあらゆる人々にとって、心強い仲介役になる日が近づいている。

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November 02, 2005

悔しさは何のためにあるか

 10月10日、ヤンキースはア・リーグのプレーオフ地区シリーズで、エンゼルスに敗れた。
粘るヤンキースが最後を託したのが松井秀喜。しかし今年、ニューヨークで「クラッチ」(勝負強い)の称号を得たスラッガーは、最後の最後でヒーローになり損ねた。
「そりゃあ、自分で終わったのは悔しいですよ。追い込まれたときにこそ、力を発揮したいんです」と語り、「自分の中では、ちゃんとしたバッティングが出来てるんだけど、それでも悔しさを与えられたわけですよ」と。
そして、「そういう悔しい思いは、出来る人でないと神様はさせないんじゃないか。神様が与えてくれた一つのチャンスでもあるんじゃないかな」と、今としては捉えられるようになったと言う。
   (11/2、日経ニューヨーク支局朝田武蔵「凛」より)

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